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Featured artist
Haruhisa Terasaki
寺崎晴久
光と陰の静物画家
New Pictorialismのフォトグラフィー
2/28/2019まで
寺崎氏の作品は一言でいうと絵画的な写真である。その作品はフランスのロココ期の画家ジャン・シメオン・シャルダンの静物画を思い出させる。しかし、西欧人の静物画とは異なり被写体となる静物の種類は1、2種類と限られ、選ばれた被写体の美しさが際立つように明暗対比や構図、色彩に細心の注意を払いながら描き取られた重量感を感じる作品には実直な日本人の感性を感じる。そのためだろうか、作品には何か懐かしさを覚える。
写真と油絵の境界線上にあるような作風あるいは撮影手法を、寺崎氏はNew Pictorialismと説明する。New Pictorialismとは「被写体を高い解像度で精密にものを写し取ることと被写体を芸術的に描きだすこととは同義ではない」という思想から、写真機の原点であるカメラオブスキュラに近い組立暗箱を使って写真乾板に投影された映像をデジタル撮影することによって、写真技術が発明される以前の「光と陰の絵画」のような作品を創作しようとするトレンドの一つ。しかし、手法はあくまでも手法。寺崎氏の感性と作品が際立っていることは否定しようのない事実だ。
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